Dr.中川 がんサバイバーの知恵

感染対策も大事だが コロナ禍でも怠るな「3つの健康対策」

実は“健康ゆすり”(C)日刊ゲンダイ

 米テキサス大MDアンダーソンがんセンターの研究チームは、座る時間の長さによって3グループに分けて比較したところ、「最長」は「最短」に比べてがんで亡くなるリスクが82%も高かったのです。一般に、たばこは60%がん死を増やしますから、座り過ぎは20ポイントも高いことになります。

 対策は、30分に1回トイレに行ったり、エレベーターをやめて階段を使ったり。貧乏ゆすりもお勧めです。

 ②について、春の検診延期は秋に振り替えて対応する施設が多いようですが、秋以降も中止する施設は珍しくありません。対がん協会の調査によれば、今年の検診受診率は3割減るといわれています。がんの早期発見という点では、「今年は、まあいいか」という考え方は絶対にダメです。

 早期発見とは、がんを1センチから2センチの大きさのうちに見つけること。1つのがん細胞が1センチになるまでには大体20年かかりますが、1センチが2センチになるのは1~2年。肺がんは1年で、乳がんは2年です。つまり、がんによっては、今年の検診をパスすると、早期発見のチャンスを失う恐れがあるのです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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