Dr.中川 がんサバイバーの知恵

感染対策も大事だが コロナ禍でも怠るな「3つの健康対策」

実は“健康ゆすり”(C)日刊ゲンダイ

 実は私は毎年、東大病院で大腸内視鏡検査を受けていますが、今年は受けられませんでした。別の病院で受け、このリスクを回避しています。今年、検診を受けられない人は別の医療機関で夏のうちに受けるといいでしょう。秋は予約の振り替えで受けられない可能性がありますから。

 そして3つ目は手術の感染リスクです。一時中止した施設も、今はほぼ中止前の状況に戻りましたが、今後の感染状況次第では、再中止もあり得るでしょう。そこで放射線治療の可能性です。

 手術が中止されたとき、前立腺がんや食道がん、子宮頚がんなどでは放射線に切り替えるケースが相次ぎました。この3つのほか、肺がん、乳がん、頭頚部がんなどでも放射線の治療成績は、手術と同等です。最新の放射線なら、肺がんは4回、前立腺がんは5回の照射で終わります。もちろん通院で。

 木を見て森を見ず、にならないよう、全体の健康対策に目を向けることが大切です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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