病の克服は患者に聞け

網膜円孔・網膜裂孔<2>自分では「白内障」を疑ったが…

写真はイメージ(C)PIXTA

 「検査項目が多いですから。少し我慢してください」と、言われて、右目の診察が終えると、こんどは左目に強い光が当てられた。

 検査項目は「屈折検査」から始まり、「角膜曲率」、「精密眼圧」、「調整検査」、「眼底三次元画像解析」と続き、右目は「汎網膜硝子体検査」が行われた。

 網膜の断層を撮影するのが「眼底三次画像解析」で、「汎網膜硝子体検査」(OCT)は、特殊なレンズで眼の奥を見る検査である。

 診察が終了し、看護師が診察室の明かりを点灯すると、担当医がおもむろ診断の結果をこう告げた。

 「病名は網膜円孔・網膜裂孔です」

 いったいどのような病気なのか。これまで自覚症状は全くない。眼に穴ですか!と質問すると、

「そう、眼に穴が開いている病気です。あなたの場合は、生まれつきかもしれませんが、中高年に多く、原因は加齢や近視などですね。治療を怠ると白内障や網膜剥離を速めてしまいます。治療の選択は、レーザー治療による凝固です」

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