「網膜の循環不全のところを直径0・1~0・2mmの大きさで凝固します。凝固した部分は弱いやけど負った形になりますが、傷の治る働きでそのまま固まってしまいます。これを凝固斑といい、これを網膜裂孔や孔の周囲に数百程度照射して固めます」
ちなみにこの治療は、視力回復を目的としたものではないという。
高野さんは、待合室で座ったまま麻酔の目薬を挿入され、10分後、看護師から治療室に案内された。
「薄暗い部屋でした。マスク着用のままで結構ですと言われまして、診察台に顔を乗せますと、頭を固定するために、ねじり鉢巻きのようなバンドが締められました」(高野氏)
バンドで頭を固定する目的は、レーザーが照射されたとき、その衝撃で頭を後方に動かしてしまう患者もいるからだ。
治療は右目である。専用のレンズが装着され、レーザー治療が開始された。
病の克服は患者に聞け