時間栄養学的「気になる食品」

【納豆】夜に食べて朝方の血栓症の予防に役立てたい

(提供写真)

 日本人の食卓に馴染みの深い納豆の歴史は古く、縄文時代の終わり頃にはすでに納豆のようなものが食べられていたと言われます。この頃、中国から稲の栽培方法が伝わり、人々が暮らしていた竪穴式住居に使われていた稲わらには納豆菌が豊富に存在していて、大豆が偶然、発酵する可能性があったからとも考えられています。

 奈良時代にお坊さんがお寺の納所で納豆を作っていたことから「納所豆」と呼ばれており、縮んで「納豆」となったという説や、神様に感謝し神棚に供えた煮豆にしめ縄が触れ、稲わらに住みついた納豆菌が繁殖したことから「納めた豆」が縮んで「納豆」と呼ばれるようになった説など、名前の由来は諸説あります。

 なんとなく日本特有のイメージが強い納豆ですが、なんと外国でも製造されています。といっても、中国の「タチオ」やアジア諸国の大豆加工品のほとんどには、日本の独自のネバネバ感はなく、調味料や保存食として利用されています。その中で、ネパールの「キネマ」やインドの「バーリュ」などは、味や香りが日本の糸ひき納豆に近いかもしれません。

1 / 2 ページ

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

関連記事