役に立つオモシロ医学論文

欧州で論文報告 日本食を食べる頻度が多い人は長生きする

バランスの取れた日本食は長生きにつながる(C)PIXTA

 中央値で18・9年にわたる追跡調査の結果、日本食の摂取頻度が最も低い(0~2点)人と比べて、最も高い(6~8点)人では、あらゆる原因による死亡リスクが14%、心血管病による死亡リスクが11%、統計的にも有意に低下しました。

 本研究では、食事に関するアンケート調査が研究開始時の1回しか行われていません。追跡調査中に参加者の食習慣が変化した可能性はあるでしょう。したがって、必ずしも日本食そのものが死亡リスクを低下させているとは言えないかもしれません。とはいえ、さまざまな種類の食材をバランスよく用いた日本料理を食べることは、偏食を防ぎ、食習慣の改善につながるかもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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