進化する糖尿病治療法

夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症なら妻も発症しやすい

生活習慣の改善には夫婦で取り組むと長続き(C)日刊ゲンダイ

 すると、夫が高血圧、糖尿病、脂質異常症で治療を受けている妻は、同じ病気で治療を受けるリスクが高血圧1.79倍、糖尿病1.45倍、脂質異常症2.58倍高くなることが明らかになりました。

 父・母のどちらか、または両方が高血圧や糖尿病の場合、子供も高血圧や糖尿病になるリスクが高くなることは以前から指摘されています。脂質異常症にも遺伝的な要因で起こる家族性高コレステロール血症があります。

 これらに加えて、チェックしたいのが「生活習慣病になりやすい生活」を親から受け継いでいないか。脂質、塩分、糖分多めのおかず、食後に果物や茶菓子を食べる習慣があるなど……。

 夫婦の場合は遺伝的要因はないわけですが、同じ食事をし、寝起きを共にしているのですから、それが「生活習慣病になりやすい生活」であれば、2人とも同じ病気のリスクが高くなっても不思議ではありません。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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