ビートルズの食生活から学ぶ健康

ノンストップで30曲を歌い続けた70代半ばのポールの言葉

「老化」とは無縁(C)日刊ゲンダイ

「若さ」の反語ともいえる「老化」について、多くの医師がさまざまな定義付けを行っていますが、一般的には「加齢に伴う生理的な現象」とされ、病理的な現象も必ず併存するため、「病気だ」と考える研究者もいて、そうした視点からもアンチエイジング(老化防止)の可能性を探り続けています。

「若さ」を誇るポールの日常生活のことを探っていけば、その秘密がわかりそうです。すべてを探り出すのは難しいでしょう。ただし、ヒントになるポールのコメントが残っています。

 2002年3月のワールドツアーのときのことをまとめた「ポール・マッカートニー イーチ・ワン・ビリービング」(プロデュース・センター出版局刊)の中で、「あなたのスタミナの秘訣はベジタリアン料理ですか」という質問に、ポールは次のように答えています。

「何らかの関係はあるかもしれないね。ベジタリアンになって25年以上になるけど、すこぶる健康なんだ。ベジタリアンだからかどうかはわからないけど、関係はあると思うよ」

「老化」とは無縁のポールのパワフルなライブの秘密を物語る言葉です。

「ポールの食生活をもっと詳しく知りたい、できることならポールの胃や腸をのぞいてみたい」

 消化器内科専門医として私はそんな思いに駆られました。

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松生恒夫

松生恒夫

昭和30(1955)年、東京都出身。松生クリニック院長、医学博士。東京慈恵会医科大学卒。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医。地中海式食生活、漢方療法、音楽療法などを診療に取り入れ、治療効果を上げている。近刊「ビートルズの食卓」(グスコー出版)のほか「『腸寿』で老いを防ぐ」(平凡社)、「寿命をのばしたかったら『便秘』を改善しなさい!」(海竜社)など著書多数。

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