実際、加齢によって唾液の量が少なくなっている患者は、飲食物やたばこのヤニなどで歯が着色しやすく、歯周病の原因になる歯石やプラーク(細菌の塊)の量も多いという。歯周病は、がん、心臓病、糖尿病、認知症といった病気にかかりやすくなることがわかっている。口呼吸が深刻な病気につながる危険もあるのだ。
■子供の歯並びや姿勢に悪影響を与えるリスクも
さらに、口呼吸が子供の成長に悪影響を与える可能性もある。
「口呼吸では口を開けた状態が続きます。すると、口を閉じているときは口腔内の上側に位置している舌が、口を開けたままだと下顎側に下がることになり、舌と口の周りを支える筋肉のバランスが崩れ、成長期の子供の顎の成長や歯並び、そして姿勢にも悪影響を与えてしまいます。また、口を閉じる際に使う筋肉が衰え、徐々に締まりのない顔つきになってしまう可能性もあります」(小林氏)