50代独身男性と80代老親のコロナ闘病記

<2>新型コロナ退院後に自覚した「足腰の弱り」と「体重増」

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 コロナの後遺症として、直接的な後遺症(味覚障害や嗅覚障害など)だけでなく、コロナ治療のために数週間安静にしたことによる「廃用症候群」(寝たきりなど体を動かさないことによって生じる障害の総称)がある。健康成人がベッドに寝た切りだと1週間で10~15%の筋力低下が起こるとされる。

■心肺機能回復には入院の3倍の期間が必要

 心肺機能の低下も大きい。回復には入院の3倍の期間が必要といわれる。廃用症候群の進行は速く、特に高齢者はその現象が顕著だ。気分的な落ち込みが現れてうつ状態になったり、前向きに取り組むやる気が減退したりと、精神的な機能低下も見られる。

 これらに対する唯一最大の対策は、段階的な積極的リハビリテーションだ。できれば専門家の指導下が望ましいという。 高齢者や持病がある高リスク者、コロナ重症者はなおさらだ。しかし残念ながら、現在の医療体制ではコロナ患者の退院後リハビリに気を配る余裕がない。やむを得ないが、コロナは日本の医療のリハビリの課題を浮き彫りにした、と感じた。(つづく)

3 / 3 ページ

関連記事