Dr.中川 がんサバイバーの知恵

気になるホクロを見つけたらコインと一緒にスマホで撮影を

ヒュー・ジャックマン(C)日刊ゲンダイ

 比較的皮膚がんのリスクが低い日本でも、海辺のバーベキューや登山などで長い時間大量の紫外線を浴びるときは、紫外線対策をするのが無難。通勤や少し散歩に出掛けるくらいならそこまで気にせず、紫外線を浴びてください。紫外線対策はほどほどが大切です。

 免疫に重要なビタミンDは、紫外線によって合成されます。ビタミンDは食事で補いにくいため適度な日光浴が欠かせないのです。血中のビタミンD濃度が低いと、がんになりやすいという報告もありますから。

 ほどほどの対策で紫外線とうまくつき合いながら、足の裏などをセルフチェックするといいと思います。新しいホクロなど気になる点を見つけたら、コインと一緒に携帯などで撮影。2~3カ月後に変化を確認するのです。大きくなったり、形が変化したりしていれば迷わず皮膚科を受診するといいでしょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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