名医が答える病気と体の悩み

食物アレルギーは治るのか…食べ続けたらどうなる?

内科認定医の山本悠太氏(提供写真)

 もちろん、当日の体調や年齢によっても症状が異なりますし、たとえば大豆製品は子供の頃にアトピーが出たのに大人になったら食べられるようになった人も少なくありません。食物アレルギーを疑う症状が出たら、皮膚科やアレルギー科で採血やパッチテストなどでアレルギー検査をして原因物質を特定しておきましょう。

 クリニックでは、「ちょっとかゆくなるけど好物なので食べちゃダメですか?」と聞かれることがあります。基本的にできる限り避けてほしいですが、「口の周りがかぶれるだけ」「皮膚がかゆい気がする」といった症状なら重症リスクは少ないといえます。逆に食べたときに「喉がいがいがする」「息苦しくなった」という症状が出た食品は絶対にやめてください。必ず吐いたり、下痢をする食品も重症化リスクがあります。

 食物アレルギーに対する根本治療としては、経口減感作療法があります。特に小児の食物アレルギーには効果的で、患者さんのアレルゲンとなる物質を少しずつ体内に入れることで耐性を付ける治療です。たとえば生のエビはアレルギーが出てもボイルなら食べられる場合、減感作療法によって完治するケースもあります。

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