名医が答える病気と体の悩み

20代でも「五十肩」になることはあるのでしょうか?

写真はイメージ

 初期の「炎症期」には、夜中にズキズキ痛んで目が覚めてしまったり、運動時に限らず安静時も痛みを感じます。この時期は無理に動かさずに整形外科を受診し、状況に応じて炎症を抑える注射などで対処します。

 その後、「拘縮期」を迎え、安静時の痛みや夜間の痛みは軽減しますが、肩関節の拘縮が始まります。ここでリハビリをスタートさせます。

「回復期」になれば痛みは軽減しますが、拘縮が残らないようにストレッチやより積極的な運動をしていきます。

 また、「腕が上がらない」「肩が痛い」と受診される患者さんの一部で、「腱板断裂」を起こしているケースもあります。これは、肩のインナーマッスルである腱板筋が上腕骨の付着部分で切れてしまった状態です。腱板が切れている場合は外科手術が必要となることもあり、「五十肩」だと自己判断していると肩関節の変形につながるリスクもあるので早めの受診が必要です。

▽鈴木辰朗(すずき・たつろう) 2013年3月に福島県立医科大学医学部卒業後、藤沢湘南台病院整形外科に勤務。21年4月から医療法人社団淳英会「おゆみの中央病院」整形外科医員。日本整形外科学会、日本関節病学会に所属。

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