Dr.中川 がんサバイバーの知恵

難治性のスキルス性胃がんに分子標的薬が有効な可能性も

逸見政孝さんの告白会見は世間を驚かせた(C)共同通信社

 通常の胃がんは、ピロリ菌の感染や喫煙の影響を受け、50代から増加。80代が発症のピークになります。スキルス性は若い方や女性も珍しくありません。1993年、がん告白会見で世間を驚かせた逸見政孝さんは48歳で生涯を閉じました。

 若い方のがんは高齢者以上に職場や家庭への影響が大きく、今回の発見の意義は計り知れません。今後、スキルス性胃がんの治癒につながることが期待されます。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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