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「水疱性類天疱瘡」は湿疹や蕁麻疹と誤診されると重症化の恐れ

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 重症の場合は入院してもらい、水疱を一つ一つ潰して、傷口を洗浄し、薬を塗って包帯を巻くという手当てをします。内服薬や点滴による治療も必要です。そして不思議と、ここまでの症状になるのは夏場のことが多い傾向にあります。

 治療はステロイドの外用薬や内服が中心で、炎症を抑えて、抗体ができないようにしていきます。ステロイドのみで症状が抑えきれない場合は免疫グロブリンを大量に注射する方法もあります。それでも効果がなければ抗体を血液ごと除去する、血漿交換療法を行うこともあります。これは大掛かりな治療法となりますが、極端に言えば、ここまでしなければ症状が治りにくい病気でもあるのです。

 さらに厄介なのがステロイドによる治療の副作用です。高血圧、免疫力の低下、骨粗しょう症、うつ病などさまざまな副作用があります。また、ステロイドには食欲増進という副作用があり、糖尿病の患者さんにとっては悩ましいものです。しかも、高齢の方が悪化して入院治療をするとなると、入院中に足腰が弱って寝たきりになるリスクが上がります。

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