新型コロナワクチンの疑問に答える

感染者数が激減したのはなぜ? ウイルス自滅は本当なのか

米国はすでに日常はノーマスク(オレゴン州)/(C)ロイター

 2回目のワクチン接種率が10月末で80%に達したこともあり、新型コロナウイルスの新規感染者数が激減している。最近は都内でも1日数十人程度だ。また先日は、国立遺伝学研究所と新潟大学の研究グループが、コロナウイルスが変異を繰り返すうちに「自滅した」との研究結果を報告。複数の要因がありそうだが、もう安心できるのか。

【Q】感染者数が激減したのはなぜですか?

【A】「何人かの研究者が『ウイルスが弱くなってきて消えていったのではないか』という説を出してますが、今のところ十分なエビデンスはありません。ただ、一つの考え方としては、十分にあり得ることです。一般的にコロナウイルスのようなRNAウイルスは変異が激しく、弱毒化するウイルスが出てくる可能性は大いにあります。また、日本人は8割前後がワクチンを2回接種しており、マスクや消毒、3密回避など感染対策を続けているのも、感染者が激減した要因でしょう。欧米などでブレークスルーが盛んに起こっているのは、たとえば米国はワクチン接種率が6~7割程度で、マスクもしていないし、普通通りの生活をしています。ワクチンを接種したくてもできない貧しい層も少なくない。コロナは非常に感染力の強いウイルスであるため、国全体で対策できないと残っていきます」

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奥田研爾

奥田研爾

1971年横浜市立大学医学部を卒業後、米国ワシントン大学遺伝学教室、ハーバード大学医学部助教授、デューク大客員教授、スイスのバーゼル免疫研究所客員研究員として勤務。2001年横浜市立大学副学長、10年から名誉教授。12年にはワクチン研究所を併設した奥田内科院長。元日本エイズ学会理事など。著書に「この『感染症』が人類を滅ぼす」(幻冬舎)、「感染症専門医が教える新型コロナウイルス終息へのシナリオ」(主婦の友社)、「ワクチン接種の不安が消える コロナワクチン114の疑問にすべて答えます」(発行:日刊現代/発売:講談社)のほか、新刊「コロナ禍は序章に過ぎない!新パンデミックは必ず人類を襲う」(発行:日刊現代/発売:講談社)が8月に発売される。

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