平均で7.8年にわたる追跡調査の結果、認知症の発症は白内障の手術をしていないグループと比較して、手術をしていたグループで29%、統計学的にも有意に低下しました。なお、この効果は5年以上にわたり持続していました。
手術をしていた人は、手術をしていない人に比べて健康状態が良好であり、認知機能も高い可能性を指摘できます。しかし、研究参加者のうち緑内障(眼圧が高くなり、視野が狭くなる目の病気)の手術をしていた人と、手術をしていない人の比較では、認知症のリスクに違いがみられませんでした。論文著者らは「白内障の手術が、長きにわたり認知症の発症リスク低下と関連していることを踏まえれば、患者やその家族の生活の質の改善はかなり大きい可能性がある」と結論しています。
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