高齢者では大腸運動が低下し、直腸の感覚閾値が低下しているため便意を覚えにくい。また、胆汁酸という成分が便を軟らかくし、便意を覚えやすくする働きをするが、胆汁酸の分泌が便秘の人では少なく、加齢によっても減る。胆汁酸にフォーカスした薬など、今は便秘治療薬がいくつか出ている。
「古くから使われている酸化マグネシウム剤は、高マグネシウム血症を起こすリスクがあり、刺激性下剤は頓服的に使うならいい薬であるものの、常用すると依存性など問題点があります。自己判断で市販薬を使わず、必ず医師に相談してほしい」
便秘は、大腸がんの自覚症状のひとつでもある。それを見逃さないためにも、便秘に悩んでいるなら一度は便秘治療に力を入れる消化器専門医に相談すべきだ。