ところが、それを再び熾烈な争いに変えたのは、2016年の大統領選に出馬したトランプ氏でした。「中絶を再び非合法化し女性に罰則も与える」との公約はアメリカ人を仰天させましたが、保守勢力を燃え上がらせ当選につながりました。彼の在任中から、多くの保守州では中絶を事実上禁止する厳格な法律を次々に制定。合憲か否かの審議を最高裁に持ち込み、一気に連邦として非合法化する作戦を続けてきました。
それを確実にするために、トランプ元大統領は3人の保守判事を最高裁に送り込みました。結果、保守とリベラル判事の比率は6対3に。今回はついに中絶が非合法化されるのではないかとの危機感が強まっている矢先のこのリークで、全米が大炎上したのです。
では、実際に中絶が非合法化されると一体何が起こるのか? 今年11月にある中間選挙にどう影響するのか? 次回、詳しくお話しします。
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