手術は日帰りでここまでできる

新しい麻酔薬の登場とそれを使い慣れた麻酔科医の存在が重要

写真はイメージ

 それがこの新薬の登場により、そういった術直後のトラブルが皆無となり、実際患者さんからも、「痛みを軽減したいので腹腔鏡(内視鏡)でお願い致しました。これにより術後1時間半くらいの休みで、安心に日帰りで帰宅できました」(60歳代・男性)、「一発で治って余裕の日帰り手術。夢のようです(80歳代・女性)といった声をいただくようになっています。

 これがもしも従来の薬剤のままであったら、日帰り手術の質にかなりのばらつきが生じていたでしょう。

 そしてこの新薬の登場だけでなく、それら薬剤の特性をよく理解し使い慣れている麻酔科医の存在も重要となります。日帰り麻酔を専門とする医師たちは、術後の状態が悪ければ入院させてしまえばいいやという安易な考えを持ちません。

 日帰り手術をとりまく環境は日々変化しています。それは麻酔だけでなくそのほかさまざまなシステムに及びます。そんな日帰り手術が新しい医療のカタチであることを、これからもお伝えしていきたいと考えています。(おわり)

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大橋直樹

大橋直樹

日本外科学会認定外科専門医、全日本病院協会認定臨床研修指導医。東京外科クリニックグループでの日帰り手術の件数は2022年4月末日時点で3101件。

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