健康の「素朴な疑問」

おしっこは無色透明なほうが健康なの? じつは病気のサインかも

 無色なら健康なの…?(写真はイメージ)/(C)PIXTA

 このときヘムは黄色の代謝物であるビリルビンに変換されます。この物質はさらに肝臓に運ばれて処理された後に、脂肪の消化を助ける液体である胆汁に排泄されます。

 その後、腸に運ばれたビリルビンは腸内細菌により黄色のウロビリノーゲン、茶色のステルコビリンに変化します。そして、ウロビリノーゲンの一部は腸管から再び血液中に吸収され、腎臓を経て尿中に排泄されるのです。つまり、尿の色はウロビリノーゲンの色である黄色というわけです。

 ではなぜ、糖尿病の人は無色透明の尿が出るのでしょうか? それは、血液中の血糖値が高いため、体内の水分が濃度の低い方から高い方に移行する浸透圧の働きによって、健康な人に比べて血液中の水分が多くなるからです。

 血液中の老廃物を除去する働きがある腎臓は無駄な糖分を排出するときに一緒に大量の水分を排出します。すると、大量の水が尿中のウロビリノーゲンの黄色を薄めて、無色透明になってしまうのです。よく、糖尿病の人が多尿で頻繁に水分を欲しがるのはこのためです。

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