さて、そんなビスフォスフォネート薬はなぜそんなに服用時のルールが決められているのでしょうか。まず「服用前後30分は水以外摂取しないこと」については、ビスフォスフォネート薬が極めて吸収されにくいものだからです。実際に、服用したとしても吸収される成分が1%に満たないケースもあります。
ただでさえ吸収されにくいクスリなのに、そこに水以外の飲食物が存在してしまうと、まったく成分が吸収されなくなってしまうなんてことにもなりかねません。「起床時に服用すること」についても、胃の中身が空っぽである場合が多い時間帯だからです。
「服用するときにはコップ1杯の水で服用すること」は、ビスフォスフォネート薬の副作用のひとつである食道潰瘍を予防するためのルールです。ビスフォスフォネート薬は食道にひっついてしまうとそこで潰瘍を起こすことが知られていて、当然、避けなければならない副作用となります。このルールは、簡単に言うと十分な水を使ってクスリをしっかり胃の中に流し込むためのものなのです。
高齢者の正しいクスリとの付き合い方