高齢者の正しいクスリとの付き合い方

「骨粗しょう症」のクスリにはいくつもルールが決められているものも

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 高齢かつ女性の方の中には、「骨粗しょう症」と診断されてクスリを使っている方もいらっしゃるでしょう。そうしたクスリの中に、「起床時に服用すること」「服用前後30分は水以外摂取しないこと」「服用するときにはコップ1杯の水で服用すること」「服用後30分は横にならないこと」というルールが定められたものがあります。他のクスリだとあまり見かけないルールですが、当然、理由があります。

 骨粗しょう症はさまざまな原因により骨がもろくなって、骨折のリスクが上がってしまう病気です。治療にはさまざまなクスリが用いられますが、今回お話しする「ビスフォスフォネート薬」もそのひとつです。

 体の中には骨を壊す細胞と作る細胞があり、ビスフォスフォネート薬は骨を壊す細胞の働きを抑えることで骨を強くするクスリです。ビスフォスフォネート薬の特徴は、前述した服用時の決まりがあることですが、それ以外にも週に1回、あるいは4週(あるいは1カ月)に1回の服用で済む製品があることも挙げられます。

1 / 3 ページ

東敬一朗

東敬一朗

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

関連記事