咳、痰、息苦しさ…それらの症状なら呼吸器疾患「COPD」の可能性あり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「COPDは喫煙から20~30年かけて発症します。その間に呼吸機能は徐々に低下し、咳や痰といった症状もあるのですが、それに慣れてしまい病院に行こうと思わない。日本人は非活動的な人種であり、動かないから息苦しさがわからないという点もあります」(相良医師=以下同)

 COPDは自然に治る病気ではない。破壊された肺胞は元に戻らないので、治療が遅れるほど悪化する。年間の増悪(呼吸困難などの症状の悪化)の回数が多いほど死亡率が高くなることは研究で明らかで、増悪が3回以上の患者では、0回と比べて死亡率は4.3倍。重度の増悪を起こすと、22%が1年以内に死亡している。

 次に、併存症が多いのも問題だ。COPD患者のほとんどが心疾患、糖尿病、脂質異常症、骨粗しょう症といった併存症を持ち、4つ以上の併存症状を持つ人は半数を上回るといった報告がある。肺がんのリスクも高める。

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