咳、痰、息苦しさ…それらの症状なら呼吸器疾患「COPD」の可能性あり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 COPDを疑うポイントとしては「喫煙習慣がある(または、副流煙に長くさらされてきた)」「咳や痰、喘鳴がある」「風邪の後、症状が長く残る。風邪がひどくなりやすい」「階段や坂道を上ると息苦しい」「息が切れて同年代の人と並んで歩けない」など。該当するものがあれば呼吸器内科を受診すべき。

 治療は禁煙、呼吸器リハビリテーション、気管支拡張薬や吸入ステロイド薬などの薬物療法。さらに相良医師は、漢方薬も治療に積極的に取り入れている。

「食欲がない、疲れやすくて体力がないといったフレイルが疑われる人には、補中益気湯、十全大補湯、人参養栄湯。呼吸器症状のうち乾いた咳には麦門冬湯、激しい咳には麻杏甘石湯、痰が絡むような咳には小青竜湯など、患者さんの状態に応じて用いています」

 フレイル状態のCOPD患者に対する人参養栄湯の臨床的効果を確認した前向き無作為化比較対象試験では、人参養栄湯の投与群で体重、筋肉量、体脂肪率で改善傾向が見られ、QOL、食欲、抑うつ、不安で有意差が見られたという。

 老親、そして自分のために、COPDの正しい知識を持っておきたい。

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