メガネを語る

天皇でも将軍でもなく、ザビエルはなぜ地方大名にメガネを献上したのか

フランシスコ・ザビエル像(C)Album/Prisma/共同通信イメージズ

 しかし、都は応仁の乱によって荒れ果てていました。天皇や将軍に実権がないことを察したザビエルですが、天皇と将軍に拝謁しようと試みますが、贈り物をもっておらず拒否されてしまいます。そこで、当時「西の都」とうたわれた周防で布教をしようと考えたザビエルは平戸に戻って贈り物を用意し、大内義隆から布教の許可を得るのです。

 日本史によると、この時、ザビエルは大内義隆に時計、鍵盤楽器、老メガネなど13の宝物を贈ります。大内義隆の行状記である「大内義隆記」にも同様の記述があります。この書物はザビエルが義隆と会った年に書かれたものです。これにより、ザビエルが日本にメガネを持ち込んだとされるようになったのです。

(メガネウオッチャー・榎本卓生)

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