2023年も梅毒急増が止まらない…高まるリスク「いきなりエイズ」に要注意

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 それは感染症発生動向調査週報の梅毒新規感染者の報告時期を見れば明らかだ。2022年は10月5日までに届け出のあった梅毒の病期は早期顕症梅毒Ⅰ期3289人、早期顕症梅毒Ⅱ期2237人、潜伏梅毒1317人、晩期顕症梅毒59人となっている。

「驚くのは晩期顕症梅毒の段階で見つかった新規感染者が59人もいることです。ゴム腫や進行性の大動脈拡張を主体とする心血管梅毒、進行麻痺といった神経梅毒に発展する段階です」

■貧困も感染の温床に

 梅毒への無知に加え、若い女性の経済状況の苦境もあるのではないか、と言う。

「女性の多くが正社員でなく非正規社員で働いていて経済的な安定が得られていません。いまより経済状況が良かった令和元年ですら、女性全体の非正規雇用比率は56%で非常に高い。年齢別で見ると、25歳から34歳で37%、35歳から44歳で51.6%、45歳から54歳で57.7%、55歳から64歳で67.7%、65歳以上で82%と高率です。若い女性は正社員であっても職業体験が少ないために収入が少ない。しかも、結婚しても共働きが普通で、女性の負担が大きいことから離婚率が38%台と高い。とくに10代は高率です。貧困が原因で風俗などでアルバイトする女性も少なからずいて、それが感染の温床になっている可能性があります」

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