時間栄養学と旬の食材

【プチベール】肌を守り、肥満や血糖値を抑制 夜向きの食材

芽キャベツとケールの交配で誕生したプチベール

 緑のバラのような形をしたプチベールは、1990年に静岡県で品種改良されて生まれた芽キャベツと、ケールを交配して誕生したアブラナ科の野菜です。ケールより栄養価が高く、芽キャベツのような味わいを持ち合わせているので最近注目されており、ほのかな甘みが特徴。現在は新潟など全国各地でも栽培されています。

 クセがないので軽く茹でるだけでサラダとしておいしく食べることができるほか、青汁などにも利用されています。

 そんなプチベールに含まれる栄養素で特徴的なものは、紫外線によって発生した活性酸素から肌を守ってくれる働きのあるβ-カロテンとビタミンEです。肌のハリを保つコラーゲンを産生する効果があることも報告されています。

 さらに、高脂肪食をエサとしている肥満マウスを用いた実験において、プチベールを5%配合すると、体重および内臓脂肪重量の増加が抑制されたそうです。また、糞中へのトリグリセリド(中性脂肪)とコレステロールの排出が促進され、肝臓中の脂肪酸合成酵素(FAS)の活性化が抑制されました。このことから、脂質の吸収を抑えるだけでなく、体内の脂質蓄積を抑えてくれることも分かり、高コレステロール血症予防効果や肥満予防効果が期待されています。サツマイモの3倍近い食物繊維も含むので、血糖値が上がりやすい夜向きの食材として最適でしょう。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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