名医が答える病気と体の悩み

認知症では寝ているときに手足が勝手に動いてしまうのはなぜ?

写真はイメージ(C)PIXTA

 レム睡眠行動障害とは、寝ている時に夢の内容に伴って大声で叫んだり、手足が勝手に動く症状です。それにより途中で何度も目が覚めてしまい、眠りが浅く睡眠障害も引き起こします。場合によっては、目が覚めると知らないうちに家の外を出歩いていたというケースもあります。本人は体が動いているとの自覚がないため、目が覚めた時に不安になったり錯乱状態になりやすいといえます。

 レビー小体型認知症は他の認知症と比較して認知機能の低下が緩やかな傾向がありますが、睡眠障害は認知機能も悪化させるので、注意が必要です。

 対処法は、認知症の薬の調整や睡眠環境の改善、日中の活動量を増やすなどが効果的です。睡眠時に何度も目が覚めるため日中に眠くなり昼寝をしてしまいがちですが、そうするとさらに体内時計はおかしくなってしまいます。夜間の睡眠の質を上げるために昼寝は避け、昼間は散歩に行って適度に体を動かすといいでしょう。また、睡眠環境を整えることも重要です。部屋の照明の明るさや温度を調節したり、患者さんに合った寝具を選びましょう。睡眠の環境を整えると、レム睡眠行動障害の症状は改善されていきます。

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