東洋医学を正しく知って不調改善

耳ツボとはどんなもの? 「耳介療法」は米軍でも採用されている

耳ツボは東洋医学とは別物(C)日刊ゲンダイ

 2006年のWHO主導によるツボの国際基準化の際は、耳ツボは東洋医学とは別物とされています。

 ちなみにWHOによる「耳介治療」の用語標準化は、1990年にフランス・リヨンで行われています。

 1970年代初めごろ手術後の痛みを軽減する効果を研究していた香港の精神外科医・温医師が、アヘン中毒者の耳ツボに電気刺激を与えると禁断症状が寛解し離脱に効果があることを発見し、この報告がアメリカに伝わり以降の大規模研究へ進むきっかけとなりました。

 現在では世界中で薬物やアルコールそして処方薬依存、自然災害後の被災者や、退役軍人のPTSD治療にも耳ツボが用いられています。

 特に耳は戦場や病床で刺鍼しやすく痛みに対して即効性があるために、戦場での応急処置「バトルフィールドアキュパンクチャー」として米軍でも取り入れられているのです。

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中村幹佑

中村幹佑

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師。

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