治療は、まず塗り薬。
「手やワキには塩化アルミニウムという塗り薬があり、こちらは薬局でも購入できます。医師の診察後に処方される薬としては、2020年に新薬として出たエクロックゲルやラピフォートワイプなどのふき取りタイプがある。今年の夏前には新薬として新しいローションも出る予定です」
これらの保存的治療で効果がない人には、手術という選択肢がある。ワキの下の場合は、ワキの真ん中を4~5センチほど切り、アポクリン汗腺を取り除く剪除法が一つ。また、体内で発汗指令を出す交感神経を切除する交感神経節切除術も有効。この2つの方法は、手のひらの汗にも効果がある。いずれも保険適用だ。
自由診療なら、マイクロ波エネルギーでアポクリン腺やエクリン腺を破壊する「ミラドライ」と呼ばれる手術もある。
インターネットなどで「多汗症」「ワキ汗」などと検索すると、「ボトックス注射(ボツリヌス注射)」という治療法がヒットする。しかし多汗症患者を非常に多く診ている山本医師は、ボトックス注射を行っていない。その理由は、ボトックスの抗原性にあるという。