時間栄養学と旬の食材

【ヒエ】白米以上に栄養バランスの良いスーパーフード

「ヒエ」の名前の由来は「冷えに耐える性質」から

 日本最古の穀物ともされるヒエは、縄文時代から食べられています。寒さに強く、土質を選ばないため、不作の時に稲や麦の代用として利用されることもあったとか。名前は「冷えに耐える」という性質に由来しているそうです。グレーがかった白い実で、白米にまぜる以外に、昔はみそやしょうゆ、焼酎などの原料に利用されていました。あくが強いため30~40年は保存できるのもかなりすごい穀物ですよね。

 近年、食物アレルギー対策の雑穀として人気があるのですが、それ以外にもイネ科の穀物でありながら白米よりも栄養バランスが良く、比較すると食物繊維は約8倍、マグネシウムは約5倍、鉄分は約2倍、カリウムは約3倍も含まれており、まさに栄養素の宝庫!「スーパーフード」としての注目も集めています。

 さまざまな研究の報告もされていて、ヒエから抽出したエキスが、増えるとシミやシワの原因になる他、血管で血栓をつくり動脈硬化を引き起こす原因のひとつとなる過酸化脂質の生成を抑える可能性があることがわかっています。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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