時間栄養学と旬の食材

【ヒエ】白米以上に栄養バランスの良いスーパーフード

「ヒエ」の名前の由来は「冷えに耐える性質」から

 また、圧倒的に豊富な食物繊維の中では、特に不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維は腸の働きを活発にし、腸内環境を整える効果があります。また、消化吸収されずに腸まで届き、便のかさを増やして腸のぜん動運動を刺激するので、便秘の解消に役立ちます。

 ミネラルの中では特に亜鉛が豊富です。亜鉛は細胞の生まれ変わりに不可欠な成分で、皮膚や骨の新陳代謝を活発にし、発育を促進することがわかっていますし、不足すると味覚や視覚に異常を引き起こす可能性もあります。また、鉄やカリウムも多いため、ミネラルの補給には最適です。

 ヒエの食べ方は多様で、従来は白米と同じように炊いて食べるか、白米にまぜて炊くのが一般的でした。しかし炊いたヒエは冷めるとパサパサになるため、炊いたヒエを揚げ物にしたりチャーハンにしたりすることでおいしく食べられるなど、現在ではさまざまなレシピが考案されています。

 また、「もち性」のヒエである「長十郎もち」など、もちもちした食感のヒエの品種も開発されているんですよ!

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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