東洋医学を正しく知って不調改善

「疳の虫」に対して東洋医学ではどのように対処するのか

小児鍼にはリラックスさせる効果も

 東洋医学の基礎理論に、陰陽学説があります。

 これは、自然界の事象はすべて陰と陽という対照的な2つの組み合わせに分けられるという考え方です。例えば、水、静、下降、柔、女は陰、それに対する火、動、上昇、剛、男は陽となります。

 最近の言葉に、「陰キャ」「陽キャ」というものがありますね。陰陽で物事を分けるのは、昔から続く人間の習性なのかもしれません。

 さて、子供においては、「活動的で上昇する」など陽の性質を備えています。生命力にあふれ、勢いよく育つため、純粋な陽気を意味する「純陽の体」と言い表すほどです。

 いま私の家には9カ月の息子がいますが、よく泣き、よく笑い、よく怒り、よく動き回る。まさに「陽のかたまり」のような存在です。

 ですがこの状態が病的になると「疳の虫」がいると表現されます。我が国では古くから「疳」という病気があるとされ、それは“虫”によって起こり、夜泣きやひきつけ、かんしゃくなどの発作を起こす病気ととらえられています。

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山本真吾

山本真吾

日本医学柔整鍼灸専門学校教員、はり師・きゅう師。

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