放置すると悪性がんに進行…「日光角化症」を防ぐには紫外線対策を

60代以降の男性によく見られる(C)日刊ゲンダイ

 顔や手の甲の赤いザラザラしたシミが治らない──。ひょっとしたら「日光角化症」かもしれない。日本では毎年新たに10万人が発症するとされ、放置すると悪性度の高い有棘細胞がんに進行して全身に転移する危険がある。虎の門病院皮膚科の林伸和氏に聞いた。

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「日光角化症」とは、紫外線の影響で皮膚の表皮の細胞に異常が起こり、がん化した状態を指す。紫外線が当たりやすい禿頭部や顔、耳や手の甲に発症しやすく、数ミリ~1センチ程度で、赤く表面がザラザラしているのが特徴だ。

「色が赤いので湿疹と間違われやすく、『湿疹の治療をしているのに表面のザラザラ感が消えない』と訴えて病院を受診される患者さんが多いです」

 日光角化症は、痛みやかゆみといった自覚症状がない。皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層で構成され、治療せず放置すると表皮内でとどまっているがん細胞が真皮まで浸潤し、悪性度の高い有棘細胞がんに進行するリスクが高まる。その結果、リンパ節や臓器に転移する危険性があるので、早期に発見するのが大切だ。

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