患者に聞け

狭心症(2)亡くなった父も心臓病で入院「遺伝のせいかもしれない」

これまで大病の経験がなかったので…

 東海林さんの亡くなった父親は、生前、心臓病で入院したことがある。

「私が心臓が悪いのは遺伝なのかとも思いました」

 同病院で「狭心症」と診断されるまで、問診を含めて10通りほどの検査手順があった。「血液検査」「心エコー検査(超音波で心臓の状態をみる)」「運動負荷試験(歩くなど運動しながら測定する心電図検査)」……。

 検査の最中、常に頭に浮かんだのは仕事のことだった。

「いま手がけている仕事は1年近くかけて準備して、これから仕上げに取り掛かる段階。早く検査が終わり、できれば狭心症の疑いが晴れないかなあと、そればかり考えていました」

 夕方、いくつもの検査を終えて少々疲れ気味で帰宅した東海林さんは妻に伝えた。

「3日後にもう1回精密な検査をするらしい。どうも私の病名は『狭心症』かもしれない」 (つづく)

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