悪玉コレステロールが高い人は認知症になりやすくなる…更年期の女性は要注意

運動も効的

「アルツハイマー型認知症はアミロイドβという神経細胞の老廃物が脳の海馬に蓄積されて発症します。LDLと認知症との関連性についてはっきりとしたことはわかっていませんが、LDLが高いと、酵素に影響してアミロイドβが蓄積するとの考えがあります」

 心血管や脳血管の病気はもちろん、認知症を予防するためにもLDLの値が高い人は改善に努めたい。とりわけ、更年期の女性はLDLが高くなるため、注意したほうがいい。

「女性ホルモンのひとつのエストロゲンは、女性らしい丸みを帯びた体を形成したり、子宮内膜を厚くして妊娠に備えるほかに、LDLの生成を抑えHDLを増やす働きがあります。しかし、閉経が近づくにつれてエストロゲンの分泌量は急激に減少するので、LDLが上昇するのです」

 実際、閉経後の約半数近くは「高コレステロール血症」の状態だという。先ほど触れた筑波大の研究でリスクが高いとされている中年期は、更年期と重なる。また、認知症は男性と比較して女性は2倍多い点からも、日頃から対策を講じたい。

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