前立腺がんと診断された場合、進行が速いのか、ゆっくりなのか、病理検査で悪性度診断が行われます。これを「グリソンスコア」と言い、10点満点で点数が高いほど悪性度が高くなります。がんの進み具合は、CT、MRI、骨シンチグラフィーなどの検査で診断します。進行状況とグリソンスコア、PSA値などにより、低、中、高リスクに分けられるのです。
どのリスクに該当するのかに合わせて、患者さんの希望、年齢、合併症などを検討して治療法が決められます。前立腺全摘手術、放射線治療、ホルモン療法が治療の中心です。
抗がん剤治療の効果は限定的で、根治治療には使われず、初回から選択されることは多くありません。ですから、低リスクでは無理して手術や放射線治療を行わず、経過を見る方法もあるのです。
手術では根治のために前立腺全摘、周囲のリンパ節郭清を行います。低~中リスクで限局している前立腺がんでは根治の可能性が最も高いので、手術が一番の適応になります。
がんと向き合い生きていく