【睡眠時無呼吸症候群】最新治療ならCPAPが合わない人も続けられる

舌下神経電気刺激法(HNS)の小型デバイスシステム(提供写真)

 手術でデバイスを植え込むため、創部感染、舌下神経麻痺のほか、舌を出した際に前方に出ず左右にぶれるといった有害事象も報告されているが、どれも1~2カ月で治まる一過性の症状で、発生率も1%と極めて低い。

 また、原則月1度の受診が求められるCPAPとは異なりHNSは受診頻度の規定がない。

「鎖骨下に挿入したデバイス本体は、11~13年に1度を目安に取り換えます。異変がなければそれまで頻回の受診は必要はありませんが、体重が増減したり、いびきが再発した場合には刺激強度を変更するので、医師に相談してください」

 現在、HNSの適応基準はAHIが20以上でCPAPが処方されているが、何らかの原因で継続が難しいことが前提だ。ほかに、18歳以上、BMIが30未満、へんとう肥大などの解剖医学的異常がみられない、中枢性無呼吸の割合が25%以下、薬物睡眠下内視鏡検査で軟口蓋が同心性虚脱を認めないことが条件になる。

 ただし、日本ではHNSを実施できる医療施設が限られている。手術を希望する際はHNSを提供するInspire社のHPで確認するといい。

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