「パパ活」「性感染症」「不妊症」…“貧困ニッポン”でジワジワ広がる背景

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「梅毒も深刻な性感染症ですが、私が気にしているのは『淋病』です。性感染症で報告数1位は男女とも性器クラミジアですが、それは自覚症状が乏しい(男性約50%、女性約20%)とはいえ、感染力が強く全体の患者数が多いからです。一方、女性の2位は性器ヘルペスで男性の2位は淋菌感染症、いわゆる淋病です。なぜ、女性の2位が淋病でないかと言えば、女性の淋病は男性ほど自覚症状が強く出ないからです。そのため発見が遅れがちで、それが将来の不妊症につながりやすいのです」(尾上院長)

 淋病は淋菌による感染症で、男性で尿道炎、女性は子宮頚管炎を起こすことが多い。感染症法の5類定点把握疾患で、2007年以降は年間1000件弱の報告数でほぼ横ばい。しかし、2020年以降は男女ともに増加傾向にある。

「淋菌感染症は男性の場合は2~9日の潜伏期間を経て尿道から膿が出て排尿痛があることが多い。女性は症状が軽く自覚しないまま経過することが多く、クラミジア感染症と同じように骨盤炎症性疾患、卵管不妊症、子宮外妊娠などの原因となることが知られています」(尾上院長)

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