最新のがんマーカーは複数のがんを早期発見できる…名古屋大が発表

国内の一般的な病院で受けられる「がんマーカー」は約50種類あるが…

 がん診断がまた一歩、進化しそうだ。今年9月、血液検査で複数のがんを早期に発見できる可能性が高い「がんマーカー」を発見したと名古屋大学が発表した。これまで使われてきたがんマーカーに比べて精度が高く、無症状の人でもがんを発見できるという。研究メンバーの神田光郎医師に詳しく聞いた。

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「がん(腫瘍)マーカー」とは、体内にがんができると分泌されるがん特有の物質のことで、血流に乗って体内を巡っています。血液検査や尿検査でがんマーカーの値を測定し、がんの有無や場所に関する診断を補助したり、すでにがんと診断されている人であれば治療効果の判定や再発の確認を目的に使われています。

「今回、『SDF-4』と呼ばれるタンパク質が、複数のがん(胃がん、食道がん、大腸がん、膵臓がん、乳がん、肝臓がん)を早期に検知できる可能性が高いと明らかになりました。研究では健康な80人と、胃がん患者400人の血液を採取し診断精度についての評価を行ったところ、がんの人を検出する確率(感度)は89%、がんでない人を陰性と診断できる確率(特異度)は99%で特定できました」

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