クスリを服用すると、食べ物や飲み物と同様に胃に入ります。そこで水分や消化液に触れることによりクスリが溶解します。クスリによっては胃ではなく小腸で溶解するように工夫されているものもありますが、いずれにしても吸収はまずクスリが溶解することから始まります。吸収はクスリの成分が消化管の粘膜を通過して血液内に移動することを意味しますが、そのためには錠剤や散剤といった固体ではなく液体である必要があるのです。
多くのクスリは溶解したあと小腸で吸収されていきますが、吸収される部位はクスリの成分ごとに異なります。また、クスリの成分によっては油に溶けやすいものもあり、そうしたクスリは食事に含まれる脂質の量によって吸収の度合いが変わってしまう場合もあります。食事の内容によって吸収の度合いが変わるようなクスリは、その影響を避ける目的で「食前」に内服するようになっていることもあります。
高齢者の正しいクスリとの付き合い方