感染者数が昨年の2倍に急増中…「マイコプラズマ肺炎」にご用心

マイコプラズマ肺炎は重症化しやすいので注意したい

 治療薬の選択も重要だという。マイコプラズマには一般の細菌性肺炎に効果が高いペニシリンやセフェム系抗生物質が効かず、テトラサイクリン系、マクロライド系、ニューキノロン系の3種類が有効とされている。

「ただ、小児の場合、マクロライド系は聴覚障害のリスクがあり、マクロライド系の中で有名なクラリスロマイシンは、日本人では子供から成人までの50~93%が肺炎マイコプラズマに対して耐性を示すと報告されています。さらにテトラサイクリン系も小児では歯が黄色くなる副作用が知られているので、リスクを回避するためにもマクロライド系のジスロマックやニューキノロン系をなるべく処方しています」

 とりわけ、これからの季節に気を付けたいのが、マイコプラズマとインフルエンザの同時感染だ。症状が重症化しやすいほか、診断に時間がかかって適切な治療を受けられない可能性が高い。

「マイコプラズマ肺炎のワクチンはありません。せっけんでの手洗い、うがい、マスク着用が予防の基本です」

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