しかし、そんな研究をしなくても、1947年時点で男性50.06歳、女性53.96歳だった日本人の平均寿命は、2021年には男性81.47歳、女性87.57歳と大幅に延びている。
これは生活環境の改善などで若い時代に死ぬ人が減ったのが原因といわれたが、75歳時点での平均余命にしても、1947年の男性6.09年、女性7.03年に対して、2021年は男性12.42年、女性16.08年と倍近く延びている。
生物学的寿命まで延ばしてまで、長生きすることに意味があるのか?
都内の医学研究者で医師のひとりが言う。
「今後出現するであろう、長生きする技術は一握りの莫大な資金を持っている人だけが享受できる技術になる。いまでも良い薬は金持ちしか使えなくなりつつあるのに、それが助長されることに意味はないのではないか。それは誰しもある年齢になれば死ぬという公平感を失わせることになる。いずれ長寿社会や医療のあり方について真剣に議論しなければならない時代が来るのではないか」
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