役に立つオモシロ医学論文

最適な睡眠時間を維持するだけじゃダメ…高齢者の睡眠と死亡リスクの関係

「質」も大事(C)日刊ゲンダイ

 中央値で4.75年にわたる追跡調査の結果、死亡リスクは、最適時間睡眠かつ睡眠障害がない人と比べて、短時間睡眠かつ睡眠障害のある人で56%、統計学的にも有意に増加しました。長時間睡眠では、睡眠障害の有無にかかわらず死亡リスクが増加し、睡眠障害がない人では35%、睡眠障害がある人では83%のリスク増加となりました。

 論文著者らは、「睡眠時間がもたらす死亡リスクへの影響は、睡眠の質も強く影響している可能性がある」と考察しています。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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