また、企業の炊事は数日間限定の単発的なもので、前後の食事内容などを考慮していない。
「だから、カレーや丼など同じメニューが続くことは珍しくない。かつ、避難所に炊事に来てくれる企業さんは、大手チェーン店がほとんどです。セントラルキッチンで作った食事を提供したり、自社で仕入れている食材を活用したりするため、能登の生産者の野菜や米を使うことにはなりません。能登半島はもともと野菜や米の産地で、食が豊かな地域。断水が解消され、営業を再開したスーパーもある。地元の生産者さんの食材を仕入れて炊き出しに活用してくれれば、地域の経済を回すことにもなる。しかしなかなかそうはいかない」
災害時に避難所などで提供された食事で、健康を害する恐れがあることは、専門家からも指摘されている。
男性は「避難所生活が数カ月にわたる可能性も考えると、統括的に栄養面や献立を管理する専門家が派遣されればいいのですが」と締めくくった。