日本版「足病医」が足のトラブル解決

日本人は「外反母趾」になりやすいって本当でしょうか?

写真はイメージ

 先細の靴を履いた際、親指が長いと内側に指が寄りやすく、変形して靴に当たって赤く腫れたり、内側に突き出した足の親指や足の裏にタコができます。すると、歩くたびに靴にタコが当たり「痛くて歩けないからタコを切除してほしい」とみなさん病院を受診されます。

 しかし、外反母趾変形が原因でタコができるので、タコだけ削っても、大本の原因である外反母趾を治さないとタコは何度もできます。外反母趾変形により、横アーチが破綻してくると歩いた際に足の裏での荷重分散ができず、床に接触する部分に圧がかかってタコができてくるのです。

 外反母趾は変形が目で見てすぐに分かりますが、診断はレントゲン画像を用いて行います。

 通常、レントゲン写真は横になった状態で撮りますが、足や足首の場合、足に体重がかかるよう立った状態での撮影が有用です。画像から「外反母趾(HV)角」と呼ばれる第1中足骨と第1基節骨の角度を測り、HVが20~30度なら軽症、30~40度は中等症、40度以上は重症と診断します。

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田中里佳

田中里佳

2002年東海大学医学部卒業、04年同大学形成外科入局、06年米国ニューヨーク大学形成外科学教室留学、12年順天堂大学医学部形成外科学講座准教授、医局長を経て現職を務める。

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