依存症から命を守る

【ゲーム障害】3日徹夜でゲームに没頭し倒れて救急外来へ…

WHOはゲーム依存症を国際疾病分類に追加

 10代に多い理由として、理性や行動を制御する前頭葉が発育途中なため自分の意思でコントロールするのが難しいことが挙げられる。また、脳には快楽や快感を担う報酬系と呼ばれる部位があり、ゲームを繰り返すと報酬系が絶えず刺激されて鈍感になり、ますますゲームにのめり込んでしまう。とりわけ注意欠陥多動性障害(ADHD)の人は生まれつき脳の報酬系の感受性が低いため依存症になりやすい。

 さらにゲーム障害は、時に事件につながるケースもあるという。

「ある生徒は、ゲームのことで父親と口論になり、暴行して警察に保護され、当院を受診しました。診るとADHDと自閉スペクトラム症(ASD)を併発していました。後者の特性が強いとコミュニケーションに困難が生じて学校で孤立しやすいのです。オンラインゲームの世界で仲間ができて居場所を見つけ、自己肯定感を維持していたといいます。高校卒業を機に精神疾患の人が一緒に暮らすグループホームに入所して完全にゲームを断ち、依存を克服しました」

2 / 3 ページ

関連記事