医者も知らない医学の新常識

臨床医学専門誌で報告 オンラインゲームで心臓が止まる?

写真はイメージ

 専用のゲーム機をモニターにつないで自宅で楽しんだり、パソコンやスマホで楽しんだりするゲームは、現代人の娯楽としてもう欠かせないものになっています。

 特にインターネットで世界中の人が同時に参加できるオンラインゲームは、子供から大人まで楽しめる、これまでにないスケールの大きな娯楽として、世界中のゲームファンに愛されています。 しかし、最近こうしたゲームの問題点が幾つか指摘されるようになりました。それは、ゲームが生活の全てになり生活が破綻してしまう、ゲーム依存症と、ゲームの刺激が脳や心臓に影響を与えるのではないか、という心配です。

 2018年6月に世界保健機関(WHO)が、ゲームの依存症を「ゲーム障害」という病気として認定したことが大きな話題になりました。アルコール依存症と同じように、ゲーム依存症も病気なのです。

 もうひとつゲームと健康との関連で問題になるのは、ゲームの刺激の体への影響です。これについては今年の臨床医学の専門誌に、バトル系のゲームをした直後に、重症の不整脈の発作を起こしたお子さんの事例が報告されています。

 体質的に不整脈を起こしやすいお子さんでは、ゲームで興奮することにより、重症の不整脈に結び付きやすい、というのです。心臓が止まりそうに面白い、というのはよくあるゲームの宣伝文句ですが、時には本当にゲームで心臓が止まることもあるようです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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