QOLを上げるためにも「老眼ではないか」と自覚が出始めたなら、なんらかの対処方法を検討していただきたい、と眼科医としては思います。無理してあらがう必要はないものです。
先日、知り合いからこんな質問がありました。
「いったん老眼鏡をかけると、どんどん老眼が進行するというのは本当ですか」
そうですね……。30%ぐらいは当たっている、といったところでしょうか。まず知っておいていただきたいのは、老眼鏡をかける、かけないにかかわらず、老眼とは進行していくものなのです。
45歳ごろから、10年ほどは進行し続けます。老眼の原因である水晶体は、赤ちゃんの頃はグミのようにしなやかで弾力性がある。ところが加齢で水晶体の水分が減少し、どんどん硬くなることで老眼になっていきます。水晶体は10年ほどで硬くなりきりますので、老眼の進行もだいたい60歳程度までとなります。
一生見える目をつくる